その後、またプラハ城へ坂を登っていく。プラハ城の正門前では、去年も見かけたフルートのおじさんとアコーディオンのお兄さん2人組の演奏家が演奏を始めるところだった。

去年、プラハ城の前で2人が演奏していたスメタナの“モルダウ”の音楽の美しさにとても感動したので、今年もまた会えて本当に嬉しかった。
この人たちはなんと、「地球の歩き方 チェコ・ポーランド・スロヴァキア 2004〜2005年版」の1ページ目に大きくでかでかと載っているのだ!今年またプラハに行くことが決まり、地球の歩き方を見ていたミーちゃんがこれに気づき、びっくりしたのである。
彼らは今やチェコを代表する音楽家(大道芸人?)になったのか!今年はチェロのおじさんが増えて3人になっていた。CDを売っていたので思い出に購入。390コルナだった。CDには“プラハ城オーケストラ”と名前が書いてあり、こんな立派な名前があるのかと少し驚いた。
そして城内へ入る。城内へは誰でも無料で入れるが、城内の色々有名な建物や場所はそれぞれ有料で入場料を取られる仕組みになっている。全てのものに入れる共通券というものも売っているが、私たちは去年一通り入っているので、今年は私たちが一番気に入っている黄金小路という場所のみの入場チケットを買い、そこに向かった。
黄金小路とは、1597年にできた本当に小さな通りで、城内で仕える召使いなどが住んでいたところなのだ。黄金小路という名前の由来は、ここに錬金術師たちが住み着いて実験を繰り返していたという伝説に由来している。が、すべて伝説上のことで、金細工職人たちがここに移り住んできたことに基づいているらしい。でも錬金術師たちが住んでいたと考えた方がロマンチックなので、私はそう思うことにしている。
ここの一角はどれも小さな建物ばかりで、建物の入り口などは身をかがめないと通れないほど。背が小さい私にとってはまさにジャストフィットの家なのだが、かなり身長が高いチェコの人たちには住むのがさぞかし大変だったと思う。でもこの小ささがこの通りの童話の世界のような雰囲気を作っているのだ。
そしてこの通りの中ほどに、青く塗られたNo.22と書かれた家があり、フランツ・カフカの仕事部屋だったという建物がある。現在は本屋になっていて、カフカの作品や絵葉書などが売られている。このお店をはじめ、黄金小路の小さい建物にはみんなお土産屋さんが入っていて、日本では売っていないような雑貨や文房具を売っている。お土産を買うにはとてもいいところだ。
私はその中で革ひもの端にブロンズのかわいい小物がついたブックマークがお気に入りで毎年いくつか買って帰る。

見学しても楽しいし、買い物にも楽しいのでお勧めの場所。ミーちゃんはこのとき、写真にあるような小さなハサミがついたブックマークを買ったのだが、これが帰るときにとんでもないトラブルに発展するのであった。
買い物のあと、黄金小路の端にあるカフカカフェで、去年と同様ホットチョコレートを飲んで一休みした。砂糖の袋がカフカの似顔絵で思わず笑ってしまった。生クリームたっぷりで、チョコレートも濃厚でとてもおいしい。

黄金小路の突き当りから階段を下りると、ダリボルカという塔に出る。中世には牢獄として使われていた場所で、ヴァイオリンの名手ダリボルがここにいれられていたという。スメタナのオペラ「ダリボル」は、このことを題材にして作られたもの。
牢獄だっただけあり、沢山の人の無念さが漂っているのか、すごく寒々とした寂しい小さな塔で、こんな所で死んでいったらさぞかし無念だろうなって妙にリアルに感じた。でも、塔の入り口のところから見る景色は、緑が多くのんびりした穏やかなもの。目の前の木にはリスが遊んでいて、プラハの都心にいるとは思えない光景だった。
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音楽とビールのプラハ