寒かったのでヴィシェフラドはそのくらいできりあげ、今度は地下鉄で一つ都心に戻って“ウ・カリハ”という、これまた有名なビアホールに行った。
ここは『善良な兵士シュベイク』の作者ハシェクが通いつめたビアホールで、彼の小説の舞台にもなっていることでとても有名なのだ。世界中の観光客が訪れるので、22ヶ国語のメニューがあるという。
私たちは朝の10時過ぎにはお店に着いてしまったため、客は私たちしかいなかった。このお店はレストランとビアホールの2つがあるのだが、お店の前におじさんが立っていて、 “こっちにこい”とビアホールの方に手招きされ中に入れてもらった。
お店の中は相当年季が入った様子で、壁には落書きらしき文字がぎっしり書き込まれていた。

これだけ落書きが多いと落書きという雰囲気ではなくなり、それなりの趣が出てくる。おじさんいわく、歴史上の有名な人の落書きも多く、「これはフランスのシラク大統領のサインだ」などと教えてくれた。
ここで私たちは、プラムでできたかなり強いお酒とビールとおつまみのアーモンドを頼んだ。私達を案内してくれたおじさんは驚いたことに、40歳を過ぎてから外国語学校で日本語を勉強したという人で、料理やお店の説明を一通り日本語で出来るほか、お勘定も日本語で書いて私たちに渡してくれた。
日本語を多少しゃべれても日本語を書ける外国人は案外少ない。こんな日本から遠く離れた国でこのような日本通に会えたことに感激した。観光客相手のお店なので、全部で350コルナ(1400円)と少々高かったが、おじさんもすごく親切で感じのいいお店だった。
このお店のレストランの方の入り口には、『兵士シュベイクの冒険』の中の登場人物の大きな人形が椅子に座っていたり、シュベイク関係の雑貨を売っているコーナーがある。

私は今回プラハに来る前から、このお店で雑貨類を買いたかったのでこのコーナーを楽しみにしていた。ここでシュベイクボールペンと、兵士シュベイクのガラスでできたかわいい置物を買った。緑色の制服を着てビールを片手に持っていて、本当にきれいでかわいい置物で、大満足して帰る。
私たちはビア・ホールだけでレストランは開店前だったので入れなかったが、写真だけ撮らせてもらった。

中には兵士シュベイクの挿絵を描いているラダの絵がたくさん飾ってあり、とても楽しい雰囲気だった。

店を出たあと、すぐ近くにあるドボジャーク(日本ではドボルザークと呼んでいる)博物館に行ってみるが、中には入らず入り口で写真だけをとってそこをあとにする。
そこから歩いてヴァーツラフ広場へ向かう。お昼の時間になったのでまたもやヴァーツラフ広場近くにある“ウ・クラコフスカー”というチェコ料理のお店に向かう。何だか食べたり飲んだりしてばかりの気がする。
ここで初めてチェコのモラヴィアワインでFRANKOVKAという赤ワインを頼んでみた。グラスで42コルナ(170円)。しぶくて深い味でとてもおいしかった。その他に、グラーシュのスープとウサギのクリームソースを頼んだ。チェコのスープはどこのお店で頼んでも本当においしいが、このお店のものも濃厚な味でおいしく、大満足。
ただウサギの肉は、肉自体が臭みがあって、しかもソースが甘くて何ともいえないしつこさとなって、何でもおいしいと感じる私が珍しくほとんど食べられなかった。ウサギの料理はちょっと苦手だが、このお店の料理自体はとてもおいしいし安いお店なので、今度は違う料理を試してみたい。もちろんミーちゃんはビールも頼んで、全部で247コルナ(1000円弱)だった。
ヴァーツラフ広場を通りがけに、去年はなぜか気がつかなかった、ヤン・パラフのお墓というか十字架を見た。大学生のヤン・パラフが、1968年ソ連の軍事介入に抗議の焼身自をはかった場所だ。小説『プラハの春』を読んだ人なら、胸がつまるような気持ちを抱くと思う。私たち2人は、黙ってしまい何も言うことができなかった。今でも沢山のお花とろうそくが手向けられていて、チェコの人たちの彼に対する思いが伝わってきた。
その後、市役所の前にある共和国広場というところまで行ってみた。なぜなら帰国の日に空港まで出るバス(来たときと同じバス)がここから出るので、時刻表をチェックしに行ったのだ。バス停はすぐにわかり、時刻表も出ていた。バスは朝の5時30分から30分おきに出ていることがわかりほっとする。共和国広場はクリスマスのための出店が沢山出ていて、とてもにぎわっていた。
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音楽とビールのプラハ